WBCの日本対韓国戦で、思わず泣いてしまいました。

野球の日本対韓国戦で、思わず泣いてしまった。洗い物をしながらテレビを見ていて、ウエッ、ウエッとなるくらいのボロ泣き。こんなの何年ぶりだろうな。

7回表の日本の攻撃前に、ちょっと試合が止まった時間帯があったんです。その時、客席でウエーブが起こりました。どこから始まったのかは分からないけど、三塁側からバックネット裏、一塁側、ライトスタンドと反時計回りにウエーブは流れ、満員の観客が総立ちになって参加する光景は、それだけで美しいものがありました。(野球の試合中にウエーブするのは、本当はだめなんだけどね…)

レフトスタンドの一角には、1000人ほどかな、韓国のファンが陣取っていました。そのときのスコアは確か13−2で、日本が大量リード中。韓国のファンはさぞ悔しがり、ウエーブなんか参加しないんじゃないかと思いながら、テレビを凝視してた。


ところが、韓国のファンは、一緒になってウエーブに参加したんです。それも、ほとんど全員が。球場にいた日本のファンも、どよめいていました。拍手をしていた人もいました。


なんでもない場面かもしれない。でも、それは確実に、ぼくの琴線に触れた。気の遠くなるほど長い間、隣国ゆえのくだらない問題に翻弄され続けている両国が、その瞬間だけは、確かに1つになった。領土や歴史、差別をはじめとする様々な問題が、その瞬間だけ、すべて遥かかなたに消え去ったように見えた。ぼくは胸がいっぱいになり、自分でも気づかないうちに涙がこみ上げてきた。


世界中の全人類が輪になって、みんなで「せーの」でウエーブができたとしたら、一体誰が同じ輪の中にいる人を非難するだろうか。誰が同じ輪の中の人の命を奪うだろうか。そんなことを想像してしまい、感情の壁が久々に決壊してしまった。

この際、ジョン・レノン「イマジン」の4番に加えてほしいくらいだな。

「想像してごらん、世界中が輪になって、ウエーブしているところを」

なんてばかばかしくて、幸せな光景。