「ホテル・ルワンダ」(2004年、英国・イタリア・南アフリカ合衆国合作)

アフリカ中部のルワンダで1994年に起こった民族間の虐殺と、そのときに追われた人々を1000人以上もかくまった1人のホテル支配人を描いた、実話に基づいたストーリー。2004年に製作され、米アカデミー賞ゴールデングローブ賞にノミネート。日本では2006年に公開されました。

ツチ族」と「フツ族」。新聞やニュースで見聞きしたことはあったけど、実際に彼らがどのような関係なのかは映画を観るまでよく分かりませんでした。映画の中では、彼らは友人同士であり、ときには人生をともに歩くと決めた配偶者でもあります。でも、当時のツチ族の中には過激派がいて、彼らはフツ族を抹殺しようとします。いや、正しくは「しようとする」のではなく、実際に殺していくのです。

数百人、数千人ではなく、数十万人も。
映画の後半、ホテル支配人の家族が危険にさらされた場面では、予想外に号泣してしまいました…。

アイヌ日本国籍を持った外国出身者など、日本にも多くの民族が住んでいます。沖縄出身者の中には、自分が日本人ではないと思っている人もいるくらい。そういうことを考えると、日本も多民族国家と言えますよね。

民族間の争いは、いつの時代でもどこの国でも起こりうる。人は他人とのちょっとした差に優越感や劣等感を感じ、それによって差別してしまう生き物だから。でも、そこから目を背けるのではなく、身近な問題ととらえてしっかりと自分のスタンスを維持しておく。その教材としては、もってこいの映画なのではないでしょうか。

いつもお気楽な映画を観てニタニタしているけど、たまにはこういう重いのもいいもんですね。


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