「石田衣良」

きょうは本の紹介。
何冊かご紹介しますが、すべて同じ著者、石田衣良(いしだ・いら)さんの作品。
石田さんは「池袋ウエストゲートパーク」の原作者でも有名。


まず1冊目。
「波のうえの魔術師」


ぼくが初めて読んだ石田作品。
タイトルに惹かれて読んでみたら、なんと株の話。
パチンコしか興味のない青年がある日、道端で身なりのいい老人に会い、
一から経済を教わる。
やがて彼は知識をつけ…。という感じかな。
単に「経済を分かりやすく…」という感じではなく、
経済の本質を文学的視点から説明、展開してくれるストーリー。
株の初心者にも持ってこいの作品。


続いては…
「スローグッドバイ」


10の恋愛短編で構成されていて、
ちょっと心が痛む、そしてちょっと自分にも当てはまるような話が読めます。
短編好きの方、恋愛小説好きの方などにオススメ。


3冊目は
娼年


「娼婦」と「少年」をかけた「娼年」という造語。
バーでアルバイトをする大学生の主人公が、
ある女性との出会いをきっかけに娼夫になる話。
彼が相手をする女性たちの、
ちょっと変わった、
でもすごく個性的で奥ゆかしい性の欲望がいくつも表現されています。
生々しい描写もありますが、決していやな気分になることはないです。


4冊目は
「エンジェル」


冒頭から主人公が死んでいる話。
意外性が面白くて、ちょっとSF。
自分が殺された理由を、幽体になって調べていく物語。
付き合っていた女性が出てきて、ちょっと映画『ゴースト』っぽい。
ありえないけど、こんな話があってもいいなと思いました。
『ゴースト』、SF、サスペンス、推理モノなどが好きな方には面白いかと。


古本屋さんなら、どれも100円くらいで買えると思う。
今度寄ったときには、「石田衣良」って項目もチェックしてみてくださいね。
文章がすてきな作家です。

波のうえの魔術師

波のうえの魔術師

スローグッドバイ (集英社文庫)

スローグッドバイ (集英社文庫)

娼年 (集英社文庫)

娼年 (集英社文庫)

エンジェル (集英社文庫)

エンジェル (集英社文庫)