立花隆「宇宙からの帰還」

朝日新聞の土曜か日曜かのbeに載っていた、
宇宙飛行士の野口聡一さんのインタビューを読みました。
野口さんは立花隆さんが1985年に書いた、
「宇宙からの帰還」という本を高校生のころ読み、
自分も宇宙飛行士になりたいと思ったそうです。


宇宙飛行士になりたいと思ったことがなかったので、
ぼくもこの本を読んでみました。
結果は、宇宙飛行士にはなりたくないが、
宇宙には死ぬまでに1度は行ってみなければならないと感じました。


ぼくは2000フィートの上空を飛ぶ飛行機からダイブしたことはある。
その時でさえ、地球(とか人間)の小ささや美しさ、
それと「死」のイメージを感じて感動したものだけど、
宇宙へダイブ(ではないけど)なんて想像できない。


本書は立花さんが何人もの宇宙飛行士にインタビューして、
それをうまいこと構成してまとめたもの。
あえて技術的な話題は取り上げず、
宇宙体験が宇宙飛行士にもたらした心境変化に重点を置いている。

十人十色、同じ答えは1つもないけど、
そこにある共通点の多さも興味深い。
キリスト教だらけのアメリカ人だけど、
神を信じていなかったけど信じるようになったとか、
その逆とか。
そしてその理由がまた面白い。


宇宙飛行士なんてのは、プロのエンジニアとして、
そして人間として、最上級と思われる頭脳や肉体を持った人だけがなれるものだろう。
だから、彼らの話す内容も、「宇宙」抜きでもすごく刺激的で面白い。


1985年当時はベストセラーになったんだろうとは思うけど、
いま読んでも全く色あせていない。
立花さんの著書はこれが初めてだけど、
もう1つくらい読んでみようかなと思いました。
本書に登場する対象は、アメリカ人ばかり。
いまは日本人や少数民族などから、
何人もの宇宙飛行士が誕生しています。
立花さんがやったようなインタビューを、
いまの宇宙飛行士たちに誰かやってもらえないかなぁ。
絶対に面白いはず。そして売れるはず。

http://iss.sfo.jaxa.jp/astro/profile.html
【参考】JAXAによる歴代日本人宇宙飛行士のプロフィール